【今こそ知っておきたい】『大戦景気の光と影』~成金と米騒動、格差拡大は なぜ?~

(投稿日:2025.12.3)


みなさんは「大戦景気」を、ご存じでしょうか?

第一次世界大戦中の、日本経済が経験した 空前の好景気です
「成金」という言葉が、一般化したと言われている 時代の出来事です

この好景気と言われている「大戦景気」は、一方では、激しいインフレーションや、大戦後の深刻な不況といった、影の部分も生み出しました

今回は、歴史や経済を学ぶキッカケになれば…と思い

「大戦景気の光と影」について、サクっと紹介します
ただ、光の部分は、多く知られているので、この記事では、影の部分を、やや深掘りしています

なお、この記事については、私見が混ざらないよう、AIによる解説の翻訳と、私見を区別し記しています




【成金栄華時代】

成金を描いた風刺画「どうだ明るくなったろう」のモデルは誰?時代背景とともに解説します。より転用
(この記事、とても興味深いです)

「成金栄華時代(1928年 和田邦房)」

靴を探している女性にお金持ちが100円の札束を燃やし
「明るくなっただろう」と言っている様子

モデルの山本唯三郎は、苦労を重ね 成金になった人物です

「大戦景気」の光(恩恵と発展)


「大戦景気」とは、第一次世界大戦(1914~1918)中に、日本で発生した好景気です

欧州諸国は戦争に集中し、生産力が低下しました

そんな中、日本からの軍需品や日用品の輸出が急増し、日本は日露戦争後の債務国から債権国に転換しました
(外国からお金を借りていた状況から、お金を貸す立場になった)

この好景気は、1915年半ばから、1920年3月の「戦後恐慌」まで続きました

【貿易額の推移】

大戦景気により、輸出額が3倍以上になり、輸入額を上回った

日本史|大戦景気 より転用

【株価推移】

かなり見にくいですが、緑でマーキングしている部分が「大戦景気」頃です
「大戦景気」では、株価も、しっかり上昇しました

明治大学 株価指数研究所「兜日本株価指数」とは!? 日本株 144年の歩み明らかに – 日本証券新聞 より転用




「大戦景気」の陰(弊害と反動)

① 激しいインフレと国民生活の圧迫
② 米騒動の発生
③ 経済格差の拡大
④ 戦後の反動恐慌

① 激しいインフレと国民生活の圧迫


・輸出が急増した一方、国内では物資の供給不足が発生し、物価が激しく上昇しました

・当時、物価の上昇が、賃金の上昇を 上回っていたため、特に低所得者の生活を圧迫しました

【実質賃金の低下】

「大戦景気」時、物価の上昇時は、賃金の上昇が 追いついてなく、実質賃金は低下していた

https://www.saga-ed.jp/tanken/kouza_jirei/h24/hs/kouchireki/shidouan.pdf より転用

私見】

約100年前の日本と、今の日本の状況が、被るように見えるのは、私だけでしょうか?

② 米騒動


・物価の上昇は、特にお米の値上がり深刻で、特に、都市部の労働者や農村部の人々の生活を圧迫した

・シベリア出兵の方針が発表された後、米商人の買い占めが、引き金となり「米騒動(1918)」が、発生した

【私見】

意外かもしれませんが、実は「米騒動」は、好景気と 言われる時代の 出来事です

主食の穀物価格の上昇は、世界の歴史を見る限り、暴動に発展するケースが多いです

現代の日本の米価格の上昇を、軽く見ていると、とんでもないことに発展するかもしれませんね

③ 経済格差の拡大


・一部の資本家や投資家が、巨利を得る一方、労働者や農民といった低所得層は、インフレに苦しめられ、貧富の格差が広がった

【私見】

資本家(経営者)は、自分の利益最優先するのは、当然のように感じます
(まれに そうでない資本家も いますが…)

また、ほとんどの資本家は、可能な限り賃金を上げたくないのは、今も昔も、変わらないでしょう

そして、高インフレに苦しむのは、低所得者(労働者)のようです
(現代の日本では、金融資産の少ない高齢者も 苦しいです)

そうやって、貧富の格差は、今後も広がっていくような気がします

④ 戦後の反動恐慌(借金の反動)


・第一次世界大戦が終結し、欧州の生産活動が回復すると、日本の輸出は激減しました

・多くの企業が「大戦景気」時、事業拡大のための過剰な借金などが大きな負担になり、経営が悪化しました

・その後、株価の暴落と ともに深刻な不況に陥りました(戦後恐慌)

【私見】

国家も 企業も 家計も、欲張り過ぎたり、見栄などのために 借金を増やすと、後々 とんでもないことになると、歴史は教えてくれています

また、希望的観測で作る借金は、まさに 危険な賭け(ギャンブル)でしょう

かつて 大金(戦費)を国債で調達し 先の大戦で 当初の作戦計画以上に 戦線を拡大し 敗北した 大日本帝国や、利益の見通しの甘い 企業の事業投資、楽観的な返済シナリオで購入し ソッコーで売却する マイホームやマイカーなど…

財政(財務・家計)破綻の後には、必ず 苦しい未来が待っています
仮に 破綻しなくても、借金は 未来の収入の前借りを、利息つきで することなので、苦しくなります

とは言え、悪い借金ばかりではないのも事実ですが…

まとめ


・おそらく、多くの人は、学校の歴史で「大戦景気」は、空前の好景気と習ったと思われます

・「大戦景気」は、成金を生み、日本の近代化を加速させました
一方、格差の拡大により、社会に深い亀裂を残し、次の時代の 経済的・社会的な動乱の、遠因ともなりました


【私見とまとめ】

「大戦景気」は、約100年前の日本の出来事です

空前の好景気と言われた「大戦景気」は、多くの人々にとって、本当に好景気だったのでしょうか?

実態は、一部の 資本家や投資家にとっての好景気だったのかもしれません

とは言え、この時代は、多くの工業製品が日本に広がり、見た目は豊かになったと思います

現代の日本社会を俯瞰すると、物価の上昇に 賃金の上昇が、追いつかない「実質賃金のマイナス」「格差の拡大」「見た目の豊かさ」など、当時の日本と被るような気がします

また、現代社会では「株価だけが上昇している」と、言われることもあります

しかし、格差が拡大するタイミングは「成金」が生まれたように、私たちも、知識をつけ行動に結びつけることで、金銭的な豊かさを手に入れるチャンスの時期かもしれません

いずれにしても、この日本という国で生きていく 私たちにとって、我が国で起きた歴史や経済の実態を 学ぶことは、とても重要と感じています





最後まで読んでくださり、ありがとうございます

この内容が、少しでも参考になればうれしいです

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